未治療の初回エピソードのサイコーシスにおけるミクログリア活性化の画像化:[18F]FEPPAを用いたPET研究

Imaging Microglial Activation in Untreated First-Episode Psychosis: A PET Study With [18F]FEPPA

Sina Hafizi, M.D., Huai-Hsuan Tseng, M.D., Ph.D., Naren Rao, M.D., Thiviya Selvanathan, M.D., Miran Kenk, Ph.D., Richard P. Bazinet, Ph.D., Ivonne Suridjan, Ph.D., Alan A. Wilson, Ph.D., Jeffrey H. Meyer, M.D., Ph.D., Gary Remington, M.D., Ph.D., Sylvain Houle, M.D., Ph.D., Pablo M. Rusjan, Ph.D., Romina Mizrahi, M.D., Ph.D.

目的
統合失調症の病態生理において、神経炎症および異常な免疫応答の関与が示唆されることが多くなっている。輸送体蛋白質18 kDa(TSPO)を標的としたこれまでの陽電子断層撮影(PET)研究は、第一世代放射性リガンドの非特異的結合性が高かったこと、スキャナーの解像度が低かったこと、標本数が少なかったこと、サイコーシス患者が抗精神病薬を服用中の場合や初回エピソード中ではなかったこと、などの理由で限界があった。本研究では、新規の第2世代TSPO PET放射性リガンドである[18F]FEPPAを用いて、初回エピソードのサイコーシスを有する未治療患者の前頭前野背外側部および海馬においてミクログリア活性が増加するかどうかを評価する。

方法
初回エピソードのサイコーシスを有する未治療患者19名(このうち14名は抗精神病薬未投与)および健康な被験者20名に、高解像度[18F]FEPPA PETスキャンおよびMRIを実施した。総分布体積(VT)を評価項目とする、妥当性を検証された動脈血漿入力関数による2組織コンパートメントモデルを用いて、動的PETデータを解析した。すべての解析は、TSPOのrs6971多型(結合親和性が異なることが示唆される)について補正した。

結果
前頭前野背外側部または海馬のいずれにおいても、患者と健康被験者間で、[18F]FEPPA VTにより示される小膠細胞活性化に有意差は認められなかった。複数回測定について補正した後に、[18F]FEPPA VTと、罹病期間、臨床症状、神経心理学的測定項目とのあいだに有意な相関は認められなかった。

結論
[18F]FEPPA VTに有意な群間差が認められなかったことから、初回エピソードのサイコーシスではミクログリア活性化は存在しないことが示唆される。

(Am J Psychiatry 2017; 174:118−124 監訳:名古屋大学医学部附属病院 親と子どもの心療科 岡田俊先生)


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