サイコーシスサービスの早期介入における初回エピソードサイコーシスの疫学:Social Epidemiology of Psychoses in East Anglia(SEPEA)研究の知見

The Epidemiology of First-Episode Psychosis in Early Intervention in Psychosis Services: Findings From the Social Epidemiology of Psychoses in East Anglia [SEPEA] Study

James B. Kirkbride, Ph.D., Yasir Hameed, M.R.C.Psych., Gayatri Ankireddypalli, M.D., M.R.C.Psych., Konstantinos Ioannidis, M.R.C.Psych., Carolyn M. Crane, M.Sc., Mukhtar Nasir, M.R.C.Psych., Nikolett Kabacs, M.D., Antonio Metastasio, M.D., M.R.C.Psych., Oliver Jenkins, M.R.C.Psych., Ashkan Espandian, M.D., Styliani Spyridi, Ph.D., M.R.C.Psych., Danica Ralevic, M.R.C.Psych., Suneetha Siddabattuni, M.R.C.Psych., Ben Walden, M.R.C.Psych., Adewale Adeoye, M.P.H., M.B.B.S., Jesus Perez, M.D., Ph.D., Peter B. Jones, Ph.D., FMedSci.

目的
早期介入サイコーシスサービスの導入以降、地方または都市部での初回エピソードサイコーシスの疫学の特性を明らかにした研究はほとんどない。このことに対処するため、著者らは、このようなサービスがよく確立されているイングランドで自然コホート研究を行った。

方法
イングランド東部の早期介入サイコーシスサービスを訪れた、16〜35歳の新たな初回エピソードサイコーシス症例の全例を、200万人・年の追跡調査で同定した。ICD-10 F10−33サイコーシス性障害の存在は、OPCRIT(operational criteria for psychotic illness)を用いて確認した。発症率比は、年齢、性別、民族、社会経済的地位、居住地域の貧困度、人口密度で補正した多変量Poisson回帰により推定した。

結果
紹介者1,005名のうち、参加者687名(68.4%)が初回エピソードサイコーシスの疫学的および診断的基準に適合した(100,000人・年あたり新症例34.0例、95% CI=31.5〜36.6)。男女の紹介時の年齢中央値はほぼ同様であり(男性は22.5歳、四分位間範囲:19.5〜26.7、女性は23.4歳、四分位間範囲:19.5〜29.1)、発症率は、20歳未満の男女がもっとも高かった。交絡因子で補正後、小数民族(発症率比1.4、95% CI=1.1〜1.6)、低い社会経済的地位(発症率比1.3、95% CI=1.2〜1.4)、都市部(発症率比1.4、95% CI=1.0〜1.8)、居住地域の貧困度(発症率比2.1、95% CI=1.3〜3.3)の場合の発症率が高かった。

結論
早期介入サイコーシスサービスが行われている集団では、20歳未満を最大としたサイコーシス発症率の顕著な差異がみられる。過度に高い発症率は都市部および貧困コミュニティに限定されており、発症率の増加には社会環境的困難の閾値が必要である可能性が示唆される。この頑健な疫学によって、集団レベルの適したニーズが異なる状況におけるサービス開発に関する情報が得られる。

(Am J Psychiatry 2017;174:143−153 監訳:医療法人恵風会 高岡病院 佐藤創一郎先生)


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