リチウム、セルトラリン、または2剤の併用による双極II型うつ病の急性期治療中の気分移行率:無作為化二重盲検比較

Switch Rates During Acute Treatment for Bipolar II Depression With Lithium, Sertraline, or the Two Combined: A Randomized Double-Blind Comparison

Lori L. Altshuler, M.D., Catherine A. Sugar, Ph.D., Susan L. McElroy, M.D., Brian Calimlim, Dr.P.H., Michael Gitlin, M.D., Paul E. Keck, Jr., M.D., Ana Aquino-Elias, B.S., Brian E. Martens, B.S.S.W., M.S., E. Grace Fischer, B.S., Teri L. English, B.A., Janine Roach, M.D., Trisha Suppes, M.D., Ph.D.

目的
著者らは、双極II型うつ病に対する3種類の急性期治療の薬剤誘発性気分移行リスク(主要転帰)、ならびに治療反応および副作用(副次的転帰)を比較した。

方法
16週間二重盲検多施設比較試験で、双極II型うつ病の参加者142名を、リチウム単剤療法(49名)、セルトラリン単剤療法(45名)、またはリチウムとセルトラリンの併用療法(48名)に無作為に割り付けた。各来院時に標準化評価尺度で気分を評価した。気分移行率、治療反応率、治療による副作用の有無と重症度を比較した。

結果
参加者20名(14%)が試験期間中に気分移行を経験した(軽躁状態17名、重度の軽躁状態3名)。脱落例で補正後も、3投与群の気分移行率に差はみられなかった。躁転した患者や気分移行により入院した患者はいなかった。ほとんどの気分移行は投与後最初の5週間で生じた。全体の治療反応率は62.7%(89名)であり、脱落例で補正後、群間の有意差は認められなかった。リチウム/セルトラリン併用群は、単剤療法群よりも全体の脱落率が有意に高かったが、反応までの時間が短くなるわけではなかった。

結論
双極II型うつ病の参加者に対するリチウム単剤療法、セルトラリン単剤療法、リチウム/セルトラリン併用療法の気分移行および治療反応率は同様であった。リチウム/セルトラリン併用群は脱落率が高く、治療が促進されるという利点はなかった。

(Am J Psychiatry 2017; 174:266−276 監訳:社会医療法人財団 仁医会 牧田総合病院 精神科 尾鷲登志美先生)


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