軽度認知障害または認知症の高齢成人に対するコンピュータを用いた認知トレーニング:系統的レビューおよびメタ解析

Computerized Cognitive Training in Older Adults With Mild Cognitive Impairment or Dementia: A Systematic Review and Meta-Analysis

Nicole T.M. Hill, M.BMSc., Loren Mowszowski, D.Psych., Sharon L. Naismith, D.Psych., Verity L. Chadwick, B.Sc. (Hons.), Michael Valenzuela, Ph.D., Amit Lampit, Ph.D.

目的
過去のメタ解析で、コンピュータを用いた認知トレーニング(CCT)が高齢成人の認知機能に対する安全で有効な介入法であることが示されている。しかし、有効性は集団および認知ドメインによって異なり、軽度認知障害または認知症の患者に対するCCTの有効性はほとんどわかっていない。

方法
著者らは、軽度認知障害または認知症の高齢成人に対するCCTの無作為化対照試験について、2016年7月1日までのMedline、Embase、PsychINFO、CINAHL、CENTRALを検索した。全般的な認知機能、個々の認知ドメイン、心理社会的機能、および日常生活動作を、軽度認知障害と認知症の試験について別々にプールした。

結果
17試験における軽度認知障害患者の認知機能に対する全般的な効果は中等度(ヘッジスのg=0.35、95%CI=0.20〜0.51)であった。出版バイアスや能動的対照試験と受動的対照試験に差があるというエビデンスは認められなかった。全般的認知機能、注意、作業記憶、学習、記憶(非言語記憶を除く)、抑うつ症状を含む心理社会的機能に小〜中の効果が認められた。認知症では、認知機能全体(k=11、g=0.26、95%CI=0.01〜0.52)および視空間スキルに統計学的に有意な効果が認められたが、これらは、バーチャルリアリティーまたはニンテンドーWiiの3件の試験から得られたものであった。

結論
CCTは、軽度認知障害患者の全般的認知機能、一部の認知ドメイン、心理社会的機能に有効である。したがってこの介入法については、認知症への移行に対する効果を検討するため、長期の大規模試験を行うべきである。逆に、認知症患者への有効性に関するエビデンスは弱く、没入型の技術を用いた試験に限定されている。

(Am J Psychiatry 2017; 174:329−340 監訳:岩手医科大学 医学部 精神神経科学講座 大塚耕太郎先生)


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