迷走神経刺激または標準的治療により治療した治療抵抗性うつ病患者の5年間観察研究:反応、寛解、自殺傾向の比較

A 5-Year Observational Study of Patients With Treatment-Resistant Depression Treated With Vagus Nerve Stimulation or Treatment as Usual: Comparison of Response, Remission, and Suicidality

Scott T. Aaronson, M.D., Peter Sears, C.C.R.P., Francis Ruvuna, Ph.D., Mark Bunker, Pharm.D., Charles R. Conway, M.D., Darin D. Dougherty, M.D., Frederick W. Reimherr, M.D., Thomas L. Schwartz, M.D., John M. Zajecka, M.D.

目的
治療抵抗性うつ病登録において、うつ病の標準的治療と補助的な迷走神経刺激(VNS)の併用が標準的治療単独と比較して長期転帰が優れるかどうかを検討した。

方法
本5年間前向き非盲検非無作為化観察登録研究は、米国の61施設で行われ、2年以上の大うつ病エピソード(単極性または双極性うつ病)を経験している、または3回以上の抑うつエピソード(現在のエピソードを含む)があり、かつ4種類以上のうつ病治療(ECTを含む)が不成功であった患者795例を対象とした。サイコーシスまたは急速交代型双極性障害の既往歴のある患者は除外した。有効性の主要評価項目は反応率であった(5年間の研究中のいずれかのベースライン後来院においてMontgomery-Åsbergうつ病評価尺度[MADRS]スコアのベースラインから50%以上の低下と定義)。有効性の副次的評価項目は寛解であった。

結果
患者はベースライン時に慢性の中等度〜重度うつ病(標準的治療群の平均MADRSスコアは29.3[SD=6.9]および補助的VNS群は33.1[SD=7.0])であった。本登録研究の結果から、補助的VNS群の臨床転帰は標準的治療群よりも優れており、5年間の累積反応率(67.6% vs. 40.9%)および寛解率(累積初回寛解率:43.3% vs. 25.7%)が有意に高いことが示された。サブアナリシスにより、ECTに反応歴のある患者のうち、補助的VNS群の患者は5年間累積反応率が標準的治療群の患者よりも有意に高かった(71.3% vs. 56.9%)。同様の有意な反応差は、ECT非反応者でも認められた(59.6% vs. 34.1%)。

結論
本登録研究は、治療抵抗性うつ病における有効性の転帰に関する最長かつ最大の研究であり、重度のうつ病患者集団において補助的VNSが標準的治療と比較して抗うつ効果が高いことを示すエビデンスが追加されている。

(Am J Psychiatry 2017; 174:640–648 監訳:産業医科大学 医学部 精神医学教室 新開隆弘先生


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