精神障害に共通した認知コントロールの神経回路異常の特定

Identification of Common Neural Circuit Disruptions in Cognitive Control Across Psychiatric Disorders

Lisa M. McTeague, Ph.D., Julia Huemer, M.D., David M. Carreon, M.D., Ying Jiang, M.D., Simon B. Eickhoff, Dr.Med., Amit Etkin, M.D., Ph.D.

目的
認知障害は精神障害に共通した特徴である。著者らは、診断横断的神経イメージングメタ解析によって、精神障害における認知コントロール能力の基盤となる神経回路異常の性質を検討した。

方法
I軸障害患者の認知コントロール課題時の脳活動をマッチした健康対照参加者と比較した、2015年6月までに発表された全脳機能的神経イメージングの論文について、PubMed検索を行った。遂行または矛盾モニタリング、反応阻害または選択、セットシフティング、言語流暢性、および認識またはワーキングメモリーを調べた課題を対象とした。ピークボクセル座標に関して活性化尤度推定メタ解析を行った。

結果
メタ解析を行った283件の実験は、対照参加者5,728名とさまざまな疾患(統合失調症、双極性または単極性うつ病、不安症、物質使用障害)の患者5,493名が対象であった。左前頭前皮質ならびに前部島皮質、右腹外側前頭前皮質、右頭頂間溝、中帯状/前補足運動野における診断横断的異常活性化が顕著であった。異常は、背側帯状皮質の前方のクラスターにも認められた。これは、著者らが灰白質体積の診断横断的メタ解析で以前報告した構造的異常が認められたネットワークと重複していた。

結論
これらの知見は、障害されていない認知において認められる「多重デマンドネットワーク」に対応した、主要な精神障害における異常の共通パターンを示している。このネットワークは、前側-帯状-島または診断横断的に灰白質減少を起こしやすいことが示された「サリエンスネットワーク」に接続している。このように、適応性のある柔軟な認知機能に固有のネットワークは、広域性の精神病理の影響を受けやすい。これらのネットワークの機能不全は、中間の診断横断的表現型を反映している可能性がある。これは治療を進歩させるために利用できると考えられる。

(Am J Psychiatry 2017; 174:676–685 監訳:医療法人恵風会 高岡病院 佐藤創一郎先生)


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