うつ病に対するリアルタイムfMRI扁桃体ニューロフィードバックの無作為化臨床試験:症状および自伝的記憶想起に対する効果

Randomized Clinical Trial of Real-Time fMRI Amygdala Neurofeedback for Major Depressive Disorder: Effects on Symptoms and Autobiographical Memory Recall

Kymberly D. Young, Ph.D., Greg J. Siegle, Ph.D., Vadim Zotev, Ph.D., Raquel Phillips, B.S., Masaya Misaki, Ph.D., Han Yuan, Ph.D., Wayne C. Drevets, M.D., Jerzy Bodurka, Ph.D.

目的
うつ病患者は、自伝的記憶などのポジティブな刺激に対する扁桃体の血行動態活性が鈍っている。著者らは、うつ病患者のポジティブな記憶に対する扁桃体の血行動態反応を亢進させることを目的としたリアルタイム機能的MRIニューロフィードバック(rtfMRI-nf)トレーニングの治療的有効性を検討した。

方法
二重盲検プラセボ対照無作為化臨床試験で、薬物療法を受けていないうつ病の成人患者(36名)を、扁桃体(19名)または情動処理に関与しない頭頂部の対照領域(17名)のいずれかからフィードバックを受ける2セッションのrtfMRI-nf群に無作為に割り付けた。ベースラインと、rtfMRI-nfの最終セッション1週間後に、臨床スコアと自伝的記憶の成績を評価した。主要評価項目はMontgomery-Åsbergうつ病評価尺度(MADRS)のスコアの変化とし、主な分析法は線形混合モデル分析とした。

結果
実験群の参加者では、扁桃体の血行動態反応が、みずからのベースラインおよび対照群と比較して亢進していた。MADRSスコアが50%超低下した参加者は、対照群ではわずか2名であったのに対し、扁桃体rtfMRI-nf群では12名であった。試験終了時に通常の寛解基準を満たした参加者は、対照群ではわずか1名であったのに対し、実験群では6名であり、治療必要数は4であった。扁桃体rtfMRI-nfを受けた参加者では、想起されたポジティブな特異的記憶の割合が、みずからのベースラインおよび対照群と比較して増加した。

結論
ポジティブな記憶に対する扁桃体血行動態反応を亢進させるrtfMRI-nfトレーニングは、うつ病症状を有意に減少させ、自伝的記憶検査で想起される特異的記憶の割合を増加させた。これらのデータは、うつ病からの回復に扁桃体が関与していることを支持している。

(Am J Psychiatry 2017; 174:748–755 監訳:産業医科大学 医学部 精神医学教室 新開隆弘先生)


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