心気症に対する薬物療法と認知行動療法の無作為化対照試験

A Randomized Controlled Trial of Medication and Cognitive-Behavioral Therapy for Hypochondriasis

Brian A. Fallon, M.D., David K. Ahern, Ph.D., Martina Pavlicova, Ph.D., Iordan Slavov, Ph.D., Natalia Skritskya, Ph.D., Arthur J. Barsky, M.D.

目的
これまでの心気症の研究で、薬物療法と認知行動療法(CBT)の有益性が示されている。本研究では、これらを併用した場合に付加的な有益性があるかどうかを検討した。

方法
DSM-IV心気症の患者(195名)を、プラセボ、CBT、フルオキセチン(fluoxetine)、フルオキセチン+CBT併用療法の4種類の治療のうち1つに無作為に割り付けた。心気症、他の精神病理、有害事象、機能状態、QOLを評価した。一次解析では、Whiteley指数と心気症に関するYale-Brown強迫観念・強迫行為尺度の改変版(H-YBOCS-M)がともにベースラインから25%以上改善した者を反応者と定義して、24週目のintent-to-treat集団の転帰を評価した。Cochran-Armitage傾向検定で、併用療法>CBTまたはフルオキセチン治療>プラセボ治療という、仮説の反応パターンを評価した。

結果
予想された反応パターンは統計学的に有意であり、反応率は、併用療法群47.2%、単一の積極的治療法群41.8%、プラセボ群29.6%であった。各積極的治療法とプラセボの反応率に有意差は認められなかった。連続尺度としてのWhiteley指数の二次解析で、プラセボと比較してフルオキセチンは、24週目の心気症の軽減に有意に有効であり、24週間の改善速度が有意に早かったことが示されたが、CBTについてはこれらのことは示されなかった。フルオキセチンは、プラセボと比較して不安が有意に少なく、QOLも良好であった。各群の脱落率に差はなく、治療中に発現した有害事象の分布は同等であった。

結論
本研究は、心気症に対するフルオキセチンの安全性、忍容性、有効性を支持している。併用療法では、わずかであるが付加的な有益性が認められた。患者の約50%は試験治療に反応しなかったため、新しいまたはより強力な方法が必要である。

(Am J Psychiatry 2017; 174:756–764 監訳:医療法人恵風会 高岡病院 佐藤創一郎先生)


画像をクリックするとPDFが開きます

▲ページトップへ戻る

閉じる