神経性やせ症のゲノムワイド関連研究で明らかになった遺伝子座位と代謝の有意な遺伝的相関

Significant Locus and Metabolic Genetic Correlations Revealed in Genome-Wide Association Study of Anorexia Nervosa

Laramie Duncan, Ph.D., Zeynep Yilmaz, Ph.D., Helena Gaspar, Ph.D., Raymond Walters, Ph.D., Jackie Goldstein, Ph.D., Verneri Anttila, Ph.D., Brendan Bulik-Sullivan, Ph.D., Stephan Ripke, M.D., Ph.D., Eating Disorders Working Group of the Psychiatric Genomics Consortium, Laura Thornton, Ph.D., Anke Hinney, Ph.D., Mark Daly, Ph.D., Patrick F. Sullivan, M.D., F.R.A.N.Z.C.P., Eleftheria Zeggini, Ph.D., Gerome Breen, Ph.D., Cynthia M. Bulik, Ph.D.

目的
著者らは、神経性やせ症のゲノムワイド関連研究を行い、一連の精神医学的表現型、教育的表現型、代謝的表現型との遺伝的相関を計算した。

方法
神経性やせ症3,495名と対照10,982名から成る12の症例対照コホートに対して、1,000ゲノムプロジェクト(第3相)を用いた一様な精度調整および補完手順を行ったあと、標準的な関連研究とコホート間のメタアナリシスを行った。連鎖不平衡スコア回帰を用いて、神経性やせ症とその他の159個の表現型とのゲノムワイド共通バリアント遺伝性(一塩基多型[SNP]に基づく遺伝性[h2SNP])、分割した遺伝性、および遺伝的相関(rg)を計算した。

結果
マイナーアレル頻度1%超および補完精度スコア0.6超で、10,641,224個のSNPと挿入−欠失バリアントについて結果が得られた。神経性やせ症のh2SNPは0.20(SE=0.02)であり、双子に基づく遺伝性のかなりの部分が共通の遺伝的変異から生じていることが示唆された。著者らは、第12染色体上の、これまでに報告されている1型糖尿病および自己免疫疾患の遺伝子座位を含む領域内に、ゲノムワイド有意な座位(rs4622308)を1つ同定した。神経性やせ症と統合失調症、神経症傾向、学業成績、高密度リポタンパク質コレステロールのあいだに有意な正の遺伝的相関が認められ、神経性やせ症と体格指数、インスリン、糖、脂質表現型のあいだに有意な負の相関が認められた。

結論
神経性やせ症は複合的な遺伝性の表現型であり、本研究でゲノムワイド有意な遺伝子座位が初めて明らかになった。また、神経性やせ症と精神医学的表現型および代謝特性のあいだに、大きな有意な遺伝的相関が認められた。本研究の結果は、この高頻度で死にいたる疾患を、精神医学的病因と代謝的病因の双方を有するものとして再概念化すべきことを示している。

(Am J Psychiatry 2017; 174:850–858 監訳:産業医科大学 医学部 精神医学教室 新開隆弘先生)


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