うつ病における自己評価の障害の脳モデル

A Brain Model of Disturbed Self-Appraisal in Depression

Christopher G. Davey, M.D., Ph.D., Michael Breakspear, M.D., Ph.D., Jesus Pujol, M.D., Ph.D., Ben J. Harrison, Ph.D.

目的
自己意識の障害はうつ病の中核的特徴である。自己評価プロセスにおいて中心的役割を果たす内側前頭前皮質はうつ病に関与することが多いが、この領域の機能的変化が障害にどのように寄与するかは明らかにされていない。本研究の目的は、うつ病の自己評価プロセスにおける内側前頭前皮質の役割を明らかにすることである。

方法
著者らは、中等度〜重度の大うつ病性障害を有し、薬物療法を受けていない青年および若年成人71名と健常対照者88名から得た機能的MRIデータに、最近開発された自己指向性認知の動的ネットワークモデルを適用した。Bayesian model averagingを用いて、動的因果モデルのパラメータ推定値を決定し、群間比較した。

結果
うつ病群の自己指向性認知プロセスは健常対照群と同じ動的ネットワークに依存することが示されたが、うつ病群では内側前頭前皮質が後帯状皮質に対して「過調整(hyperregulatory)」効果を有し、対照群と比べて、内側前頭前皮質と後帯状皮質間の接続性が、自己評価に起因する有意な負の修飾を受けていた(オッズ比=0.54、95%CI=0.38〜0.77)。このパラメータは集中力低下および内的緊張に関連するうつ病因子と有意に逆相関した(r=−0.32;95%CI=−0.51〜−0.08)。

結論
うつ病における後帯状皮質に対する内側前頭前皮質の過剰な影響は、うつ病に特徴的な自己評価の障害の神経相関である。

(Am J Psychiatry 2017; 174:895–903 監訳:社会医療法人財団 仁医会 牧田総合病院 精神科 尾鷲登志美先生)


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