情動反応および情動制御時の脳活動によって予測されるPTSD精神療法の転帰

PTSD Psychotherapy Outcome Predicted by Brain Activation During Emotional Reactivity and Regulation

Gregory A. Fonzo, Ph.D., Madeleine S. Goodkind, Ph.D., Desmond J. Oathes, Ph.D., Yevgeniya V. Zaiko, B.A., Meredith Harvey, B.A., Kathy K. Peng, M.A., M. Elizabeth Weiss, Ph.D., Allison L. Thompson, Ph.D., Sanno E. Zack, Ph.D., Steven E. Lindley, M.D., Ph.D., Bruce A. Arnow, Ph.D., Booil Jo, Ph.D., James J. Gross, Ph.D., Barbara O. Rothbaum, Ph.D., Amit Etkin, M.D., Ph.D.

目的
曝露療法は心的外傷後ストレス障害(PTSD)に対する有効な治療法であるが、多くの患者は反応しない。治療転帰を左右する脳機能特性はあまり明らかになっていない。著者らは、PTSDと曝露療法の効果に中心的役割を果たすと考えられている情動反応および情動制御に関与する脳システムについて検討し、治療により利益が得られる可能性がもっとも高い患者の機能的特性を明らかにした。

方法
PTSD患者に対して、情動反応および情動制御を評価する3つの課題を遂行中に、機能的MRI(fMRI)を行った。参加者を、すぐに持続曝露療法を行う群(36名)または待機リスト群(30名)に無作為に割り付けた。持続曝露群の無作為なサブセット(17名)に、fMRIと同時に単一パルス経頭蓋磁気刺激(TMS)を行い、予想される活動パターンが回路内の因果的影響を反映しているかどうかを評価した。治療意図の原則に従った線形混合効果モデル解析を用いて、ベースラインの脳機能により、PTSD症状の治療効果がどのように調整されるかを検討した。

結果
ベースライン時、(待機リスト群の患者と比較して)治療に関連した症状の軽減が大きい患者は、情動反応時の1)背側前頭前皮質の活動が大きくて、2)左扁桃体の活動が小さく、また、3)右背外側前頭前皮質に対する単一のTMSパルスで誘発した左扁桃体の抑制が良好で、4)情動葛藤制御時の腹内側前頭前皮質/腹側線条体活動が大きかった。再評価に関連した活動は、治療効果の重要な調整因子ではなかった。

結論
PTSDにおいて持続曝露により利益が得られるかどうかは、意図的にネガティブ感情を軽減させるのではなく、表面的に脅威を処理し、順応しながら情動的干渉を和らげる場合に、前頭前皮質の機能が自発的に関与している程度によって左右される。

(Am J Psychiatry 2017; 174:1163–1174 監訳:社会医療法人高見徳風会 希望ヶ丘ホスピタル 佐藤創一郎先生)


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