双極性障害に対する脆弱性とレジリエンスにおける内因性の脳の機能的結合性の役割

The Role of Intrinsic Brain Functional Connectivity in Vulnerability and Resilience to Bipolar Disorder

Gaelle E. Doucet, Ph.D., Danielle S. Bassett, Ph.D., Nailin Yao, Ph.D., David C. Glahn, Ph.D., Sophia Frangou, M.D., Ph.D.

目的
双極性障害は脳の機能的結合障害に関連する気分調節障害を特徴とする遺伝性の障害である。先行研究は、双極性障害患者とその第一度近親者におけるリスクおよび疾患関連結合障害の検出に焦点を当ててきた。本研究では、双極性障害患者の非罹患同胞を対象とし、疾患の回避または疾患発現の遅延と定義するレジリエンスに関連する脳の適応的結合性の特定を試みる。

方法
グラフ理論的手法を用いて、双極性障害患者78名、非罹患同胞64名、健康被験者41名から取得した頭位置補正安静時機能的MRIデータにおける全脳および脳領域ネットワークトポロジーを検討した。

結果
患者およびその同胞では全脳ネットワーク特性は維持されていたが、いずれの群も感覚運動ネットワークの結合性の低下を示した。患者群では、これらの感覚運動ネットワークの異常に伴い、腹内側皮質および海馬におけるコアデフォルトモードネットワーク領域の統合低下を伴った。これとは逆に、同胞群におけるデフォルトモードネットワークの統合は、患者群および健康被験者群と比べて増強した。

結論
著者らは、双極性障害患者において、双極性障害に対する特性関連脆弱性は、感覚運動ネットワークの安静時結合性の低下に関連することを明らかにした。一方、患者とその同胞間の疾患発現やレジリエンスを差別化する重要な特性として、デフォルトモードネットワーク(意識的な活動をしていないときに働く脳のベースライン活動)の統合が浮上した。この事実は、レジリエンス、または少なくとも疾患発現の遅延を促す可能性のある神経機序の存在を示唆するものである。

(Am J Psychiatry 2017; 174:1214–1222 監訳:産業医科大学 医学部 精神医学教室 新開隆弘先生)


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